2002-01-01から1年間の記事一覧

悪口を、言うこと、聞くこと

「人の悪口を言ってはいけません」と、小さい頃から教えられる。だから、悪口をいうことに罪悪感が伴ってしまう。それでもつい口が滑ってしまうと、あとでひどい自己嫌悪に陥ったりもする。だけど、悪口を言うことがそんなに悪いことだろうか? 意地悪された…

希望行きのバス

帰りのバス。全員降りて、一人になった。それでも律儀に「次は○○です。○○においでになるにはここが便利です」とアナウンスが流れる。誰も待っていないバス停にいちいち停車し、乗降口のドアが開く。息継ぎするようにしばらく停まって、誰も乗ってこないのを…

他人まかせ

職場の忘年会でカクテルを頼むことになった。 酔っぱらっていたのと、お酒だったらなんでもいいという輩が多かったので、全員、何を注文するかに無関心だった。誰かが、 「あ、オレ、ミントジュレップ」 と注文したら、案の定、「なんかわからんけど、それで…

祖母に会いたくて

祖母のことをいろいろ思いだした。たくさんの愛情を注いでもらったのに、なにも返してあげることができなかったと、今更ながら自分の薄情さが悔やまれる。病室にはいる時、母は 「泣いたらいけんよ」 と言った。でもやっぱり涙が止まらなかった。 母には予感…

愉快な酔っ払い

夜遅く目が覚めた。新しい日付に変わって2時間ちょっと経っていた。隣の布団に夫はいない。ふすまの隙間からキッチンの明かりがもれている。では家には帰っているのだな。耳をすましてみる。何も物音がしない。向こうの部屋で寝込んでしまったに違いない。そ…

女性の煙草

女性が煙草を吸っている姿が好きだ。なぜ女性の煙草が好きなのか。それは祖母の影響だ。大好きだった祖母。もの静かに煙草を吸っていた。ゆっくりと、根元まで。お正月に親戚中が集まってワイワイやっていても、煙草を吸いながらみんなの話に耳をかたむけて…

本当に手に入れたいもの

日曜日の夕方、夕餉の買い物客でにぎわうスーパーでの出来事だった。耳をつんざく泣き声に思わず振り返った。幼い女の子が泣いている。買ってもらおうと選んだお菓子を、父親に取り上げられたのだ。女の子はますます激しく泣き続け、とうとう周りに人だかり…

灯りに誘われて

仕事帰りに車を車検に出した。ので、家まで電車と徒歩で帰る。電車を降りてから家までの道のりは、前半が商店街、後半が住宅地である。すでにあたりは真っ暗。通りの店々からこぼれてくる光がまぶしい。昭和30年代にタイムスリップしたかのようなこの商店街…

我が家の危機

家に帰ってすぐに夫に送信したメール。 - あのね、今日、お米が一粒もないの。で、帰りにコンビニで2kgだけでも買おうと思って寄ったら、なんと財布をロッカーに忘れてきてたの!まあちゃんの分はあるし、私も冷凍のうどんがあるので、それを食べようと思…

おかしなメニュウ

今夜の我が家のメニュウは、○アンコウ鍋 ○ステーキ、クレソン ○551のシウマイどう考えても、おかしな組み合わせだ。だが、こうなったのには訳がある。今夜はもともとステーキの予定だった。スーパーのチラシを見た時から、決めていたのだ。「本日の特売品…

月の光

昨日のこと。仕事を終えて帰ろうと身支度している時、話しかけてきた人がいた。同じ教室の人だ。ふたことみことの会話だったけど、とても不愉快になった。職場の駐車場に向かいながら、会話を反芻した。だんだん腹が立ってきた。ああ言えばよかった、こう言…

不意に思い出したこと

なぜ、急に思い出したのかわからない。ただ、その時の風景が急に蘇ってきたのだ。◆幼い頃、妹はいつも兄のあとを追いかけていた。兄は自分の友だちと思う存分遊びたいのに、金魚のフンのようにいつも妹が付いてきた。兄はそんな妹がうっとおしかった。ある日…

京都と車

京都へは車で行くことが多い。このごろ、「パーク&ライド」−−−車を駐車場に止めて、寺社めぐりの移動には電車やバスを利用する、というやり方が提唱されている。我が家でもさっそくそれを実行してみた。今回は出町柳の駐車場を利用した。ここは1時間300…

夫の工夫

夜、家を空けると、夫は機嫌が悪い。それがたとえ職場の行事でもだ。ここのところ2週連続で、2回夜に出かけている。その2回とも夫は寝ずに私の帰りを待っていた。昨夜の歓送迎会は、3週連続3回目の夜のお出かけだ。だから歓送迎会の間じゅう、何時に家…

こういう歓送迎会もある

歓送迎会。「送」の対象者が一人いた。そのA氏がなぜこんな中途半端な時期に退職するのか、本当の理由を知っている。出席者のごく一部が、その経緯を知っている。ボスは、A氏は来週から新しい職場に行くことになっていると紹介した。そして、これからも頑…

仕事帰りのコンビニにて

明日の朝食用のパンが切れていたので、仕事帰りにコンビニに寄る。コンビニは主婦にとっても便利な店である。今日のように、パンだけ、とか、牛乳が切れてる、なんて時は、わざわざスーパーに寄らなくてもコンビニで用が足りる。帰り道に何店舗かあるので、…

『暮しの手帖』

『暮しの手帖 300号 記念特別号』を買った。『暮しの手帖』は、母の愛読書だった。ほとんど雑誌というものを買わなかった母が、この本だけは買い求め、大切に読んでいた。そのせいか、中学生の頃から、「すてきなあなたへ」や「家庭学校」を楽しんで読んだ。…

社長の涙

NHKの「人間ドキュメント」を見る。5年前倒産した証券会社の社長の、その後のドキュメントである。「社員は悪くありませんから」と言った社長の言葉によって、たくさんの元社員が救われたと言っていた。あの涙には、賛否両論あった。でも、あの心から発…

岐阜県のおいしいもの

飛騨・高山を旅行した時、たくさんの美味しいものに出会えた。一番気に入ったのは、朴葉みそである。 湿らせた朴葉に、朴葉みそとねぎを刻んだのをのっけて、卓上コンロで暖める。やがてじくじくとみそが煮えてくる。そのあたたまったみそを炊きたてご飯にの…

ぎっくり腰3

「のど元過ぎれば熱さ忘れる」とは、夫のことを言うのだとつくづく思う。それでも、歩く速さが日に日に速くなっていくので、明るい気持ちでいられる。

ぎっくり腰2

医者に行った甲斐あって、夫の腰の痛みは随分よくなった。もう一日会社を休む予定にしていたが、出勤するという。言い出したら聞かない質なので、用事を済ませたら帰宅するという約束をして送り出す。会社に出勤すると、夫のぎっくり腰はすっかり知れ渡って…

ぎっくり腰1

それは、何気ない動作がきっかけだった。たばこを吸いにベランダに出ようと、足元の洗濯物カゴをひょいとどけようとした、その瞬間。背骨から頭へ電気が走り、目から火花が飛びだしたと、夫は言う。かすかに前屈みになって、片手を腰にあて、片手で壁を伝い…

平和な島であんな事件があってはならない

数日前、バリ島で、テロ事件が発生した。島の至る所に神々が宿る、人々を安らかな気持ちにさせる、あのバリ島で、どうしてあんな事件をおこすのだろう?鎮火後の様子をテレビで見る。入母屋風の建物が骨組だけになっている。もとの建物が目に浮かぶようだ。…

ぽかぽか

窓を開けたままで朝食を食べるのが寒くなった。窓を閉めて、靴下をはく。朝食の後、ベランダに出て、洗濯物を干す。最初はブルッとしたけどお日様にあたっていたら身体がぽかぽかしてきて、干し終わる頃には少し汗ばんでいた。お日様ってありがたいな、と改…

鶏の胸肉

お弁当の支度をしている時のこと。鶏の胸肉が冷蔵庫に残っていたので、細切れにして白ネギの小口切りと一緒に炒め物にした。この料理は、唐辛子の辛みを効かせて、ピーマンやたまねぎ、カシュウナッツなどを加えると、立派な中華料理になる。だが、胸肉と白…

ゴミ捨ての悩み part 2

引き続き、ゴミ捨ての悩みを聞く。数日後に〆切を控えた仕事があって、1分1秒が惜しいくらいの気持ちだったのに、そういう時に限って愚痴の聞き役を務めることになるは、どういう巡り合わせだろう。そいういうどうでもいいことはおいといて・・・。やはりK…

ゴミ捨ての悩み

Kさんの悩みの一つは、相棒がゴミをすぐに捨てに行かない、ということだ。Kさんの教室は、ほかの教室のたくさんの先生がたが出入りするので、いつ誰が来てもきれいに見えるようにしておきたいのだそうだ。だから、ゴミ箱のビニール袋を取り替えたら、たま…

金沢にて

「そういえば、金沢大学を受験したんだった」金沢の街を歩きながら思い出したように夫が言う。そのころ金沢大学は金沢城跡にあったんだと。それにあこがれて受験したらしい。なんという不純な動機。ミーハーなヤツ。◆金沢の街を歩いていて思ったのは、国の繁…

夢の国

兼六園を訪れた。たいへん美しいところだとは知っていたが、ほんとうに美しい庭園だった。観光名所とは言っても、見所が何カ所かあってそこはきれいだけど、一歩裏にまわると、手入れの行き届いていない場所があったり、ゴミが散乱していたりするものである…

いい人になること

いい人になりたいと心から思うようになった。ちょっと前まで私にとって「いい人」=「いい人だと思われること」だった。今、私がなりたい「いい人」は、「きれいな心でいること」である。他人にどう思われるかは関係ない。自分で自分を振り返るとき、心地よ…