7.「廿六日、御薫物あはせはてて」

さて、この段に、駒尺喜美が『紫式部のメッセージ』朝日選書ISBN:4022595221紫式部は同性愛者とする根拠の一つとしている一文が登場する。昼寝をしている同僚女房(宰相の君)の顔がいかに美しいかを書きつづっているのだ。「いとらうたげになまめかし」、「こまかにをかしうこそはべりしか」など。うーん、私自身はそんな印象を持たないんだけど。家集を読めば印象が変わるかもしれない(女性との相聞歌が多いらしいので)。宰相の君は、『蜻蛉日記』を書いた藤原道綱母の孫、つまり、道綱の娘さんです。ああ、ややこしい。最後の一文「おほかたもよき人の、をりからに、・・・」は、捨て台詞その4。