4.「しめやかなる夕暮れに」

中宮彰子、道長に続き、いよいよ道長の長男、頼通が登場。その姿を紫式部は、「いとおとなしく、心にくきさまして」と形容する。若いのに(この時17歳)、背伸びした会話を交わし、洒落た歌を口ずさみながらその場を去る。ほほぉ、なかなかやりおるのぉ。この段の最後の一文(「かばかりなることの、うち思ひ出らるるもあり、・・・」)は、萩谷朴の言う「捨て台詞」のひとつ。これからいくつか出てくる、捨て台詞こそ面白いんだよと、朴おじさん(そう呼びたくなってしまうキャラ)は言っておられる。