2003-02-22から1日間の記事一覧

12.「御いただきの、御髪おろしたてまつり」

9月11日午の刻。彰子無事男子出産。そのことは簡単に記され、女房たちの化粧崩れした顔や、その時いかに物の怪が執拗であったか、お産が大変であったかが縷々綴られる。

11.「十一日の暁に、北の御障子、二間はなちて」

9月11日明け方。加持祈祷は続く。彰子の状態は描かれず、女房たちの無我夢中、茫然自失の状態が描かれる。紫式部も一緒になって、「たぐひなくいみじと、心ひとつにおぼゆたとえようもなく大変なことだと、つくづくと心の中で思われた」という状態。この混雑…

10.「十日の、まだほのぼのとするに」

9月10日。さてこの日、御座所のしつらえを白一色に模様替え。盛んに加持祈祷が行われる。彰子は、「いと心もとなげに、起き臥し暮らさせたまひつその日一日中、とても不安そうなご様子で、起きたり伏せったりしてお過ごしになった」という状態。内裏の女房た…

9.「その夜さり、御前にまゐりたれば」

その夜、とは、前段の9月9日夜のこと。中宮彰子は、「例よりもなやましき御けしきにおわしませばいつもよりもお苦しそうなご様子」という状態。紫式部は、「しばしと思ひしかど寝にけりちょっと休もうと思って横になったところ、つい寝てしまった」。彼女は…

『紫式部日記』と『枕草子』

『紫式部日記』を読み進めていくと、『枕草子』との共通点が散見される。『源氏物語』と『枕草子』は、「あはれの文学」、「をかしの文学」などと対比されるが、『紫式部日記』と『枕草子』の共通点をさぐっていくのは面白い作業になりそうだと思う。そうい…

あれこれ再読中

『紫式部日記』について記述のある本を思い出しては、再読に努める。なんだか、大変なことを始めてしまった気がする。 駒尺善美『紫式部のメッセージ』朝日選書ISBN:4022595221 沢田正子『紫式部』清水書院ISBN:4389411748 大野晋『源氏物語』岩波書店ISBN:4…