11.「十一日の暁に、北の御障子、二間はなちて」

9月11日明け方。加持祈祷は続く。彰子の状態は描かれず、女房たちの無我夢中、茫然自失の状態が描かれる。紫式部も一緒になって、「たぐひなくいみじと、心ひとつにおぼゆたとえようもなく大変なことだと、つくづくと心の中で思われた」という状態。この混雑状態じゃ彰子の身体に障ると気付いた道長が、本当に必要な女房だけを残してあとは別室に移らせたとある。道長があれこれと大声で指示を出している姿なども印象に残る。