21.「七日の夜は、おほやけの御産養」

赤ちゃんが誕生して7日目の夜は、朝廷主催の御産養。原文に、「今宵の儀式は、ことにまさりて、おどろおどろしくののしる」、とあるので、なんだかひど不気味なイメージをもったのだけれど、格段に大がかりで、大げさなほどにさわぎたてている、という意味なのだった。とはいえ、儀式の様子の記述は五夜のそれにくらべ、ひどくあっさりしている。むしろ、この節では中宮彰子の美しさに筆を費やしていることが印象に残る。「常よりもあえかに若くうつくしげなりいつもより弱々しそうで、若く愛らしげである」と、ベタホメなのである。私も言われてみたい。「若い」は無理にしても。さらに彰子賛美の言葉が続く。

8日目から、女房たちは白一色の装束から、各自好みの色の着物に着替える。モノトーンからカラーへの鮮やかな切り替え。