すだち

つくづく不思議なのだが、すだちの羽の色はきみどり色である。

水色と黄色の親からどうしてきみどり色のインコが生まれるのか、不思議でならない。どういう理屈かは考えないことにして、ともかく、「こんなん生まれましたーーー」と誕生したのが、きみどり色のすだちなのである。

その、羽の色は、見とれるほど美しい(←親ばかと言ってくだされ)。

胸のあたりは、青磁色。足の付け根あたりからだんだんその色が深くなり、後ろ半分は翡翠(ひすい)色。この部分は見る角度によって微妙に色が変わる。そして、長い尾羽、尾羽だけは深い深い瑠璃色なのだ。これが、すだちの美しさを一層引き立てている。

すだちが狭い部屋の中を飛び回るとき、その瑠璃色はいっそう美しさを増す。蛍光灯のあかりが、瑠璃色の羽を通してブルーの光となってこぼれてくる。

もしも大空を飛んだなら・・・大空のもとで陽光を浴びたなら、その瑠璃色の羽はどれほど美しい光を振りまくだろう?すだちを見つめていると、そんなことをふと考えてみたくなる。