かわいくない鳴き方

セキセイインコは、成長が早いのかもしれない。ゆず、すだちとも、見た目も仕草もりっぱな大人だ。鳴き方も、いつの間にか大人と一緒になってしまった。

思えば2ヶ月前。かぼそく、ぴゅるる、ぴゅるると泣く声がなんとも可憐だった。

それが今はどうだろう。

「ちゅくちゅくちゅく、じゅっじゅっじゅっ」 by あーちゃん。
「ちゅくちゅくちゅく、じゅっじゅっじゅっ」 by きーちゃん。

ここまではしかたない。それに新たに2羽加わった。

「ちゅくちゅくちゅく、じゅっじゅっじゅっ」 by ゆず。
「ちゅくちゅくちゅく、じゅっじゅっじゅっ」 by すだち。

うるささ、4倍である。

インコたちの鳴き声に耳をかたむけていると、数種類の鳴き方があることがわかる。

「ぴぴっ」と短く鋭く鳴くのは、お互いの姿を探しているとき。
「ぴぴぴぴぴぃっ」と悲鳴のように鳴くのは、ケンカして羽を引っ張られたとき。
上の「ちゅくちゅくちゅく、じゅっじゅっじゅっ」は、おしゃべりしてるとき。
「ひゅるひゅるひゅる」と軽〜く鼻歌を歌うように鳴くときもある。のどのあたりを震えさせてきゅるきゅるきゅると鳴らしているかのようにも聞こえる。ちょうど猫がのどをごろごろさせるように。ごきげんさんなのか、独り言をつぶやいているのか。この鳴き声を聞くと、世の中平安と思ってしまう。インコを飼う幸せを実感するひとときでもある。

かわいくないのは、

「じじっ」

といかにも不満げな鳴き方をするときである。嫌がってるのをゲージから引っ張り出した時とか、餌を食べるのを邪魔したときとか。嫌なことをちょっとでもされると、抗議するかのように、

「じじっ」

とひと言、低く鳴くのだ。

「はいはい、わかりましたよ。いやなんでしょ。」

つい口答えしてしまう飼い主であった。