皇帝ペンギンを観てみたよ

娘は明日から学校。夏休み最後の日曜をふたりでお出かけ、『皇帝ペンギン』を観てきました。神木くんの吹き替えは聞いてみたかったけど、字幕版なら子どもも少ないかなと。ほぼ満員、若いカップルから年配のかたまで、やや女性のほうが多かったです。どことなく優しい雰囲気のヒトが多いと感じたのは気のせいかな。

映画は評判通り、心に染みるよい映画でした。この作品を観ると、人間の子育てなんて、どおってことないですね。-40℃の厳寒の地で、あんなふうに一つの卵を暖め、孵し、ヒナを育てるなんて。ただそれだけのために、どんなに多くの時間を耐えて過ごすのか…。そしてなにより、赤ちゃんペンギンのかわいいこと、かわいいこと! それが少しずつ成長して、親の暖かい足元から少しずつ離れることができるようになって、ついには親と決別して旅立っていくなんて、この映画で初めて知りました。あのシーンで胸がいっぱいになってしまいました。

ディープ・ブルー』のように、しつこいまでの流血シーンがなかったのもよかった。もちろん「弱肉強食」というか、こういう映画で避けて通れない残酷なシーンはあるのですが。あと、せりふがうるさかったです。フランス語で単語一つも聞き取れないからBGMと思って聞き流せたけど、それでもうるさかった。字幕の内容もいかにもフランス映画って感じのツヤっぽい内容で読んでいても気恥ずかしい。…あれを日本語でやられたら、うっとおしいだろうなあと思いました。

見終わった後も、深々と映画のシーンが心に蘇ってきます。足元に卵を暖めながら吹き付けるブリザードにじっと耐える姿、エサを求めてちょこちょこと、時にお腹でずざーっと滑りながら延々と大雪原を渡っていく遠景シーン、親の足元からちょこんと顔をのぞかせる赤ちゃんペンギン、エサをねだる姿、などなど。それに比べたら人間の存在なんてたいしたことないですね。厳しい環境でもしっかりと大地に足をつけて、小さな歩幅でも目標に向かってしっかりと歩き続けるペンギンたちのほうが、よほど偉大です。そして、私もがんばって歩いていこう、そんな気持ちがふつふつと湧いてきたのでした。