残り少ない日々をいとおしむように

難航した手続きがなんとかうまくいって、ようやく車の購入に必要な書類が揃った。わたくしメの新しい車「しろちび号(と命名)」は、いよいよ週末に本契約ができそうな模様。納車がいつになるか現時点ではわからないけれど、どちらにせよ、今の車「くろでか号(と命名)」と過ごす日々が残り少なくなってきた。

「くろでか号」はとてもスピードの出る車(当家比)で、メカの事はまったくわからない私にとってもエンジンが吹き上がる音はとても魅力的だ。ゆっくりとアクセルを踏み込むと、ぐうーんと背中から腰のあたりにかけて後ろから押されるように加速していく。回転数はそんなに上がっていないのに、音もなくすうぅとスピードが上がっていくのは、毎日の通勤でさえ楽しくてならない。

以前のパジェロも別の意味でとても魅力的な車だった。一緒に過ごした8年間、四駆らしい使い方をしたことは少なかったけれど、ディーゼルエンジンの大きな音、4WDに切り替えた時の音の変化、冬タイヤの時の走行音、視界の良さ、そして何よりどんな悪道でも走ってみせまっせ!という頼もしさは他のどんな車にも変えられない魅力だった。だから、音がうるさくても、加速が悪くても、運転席に座るたびにわくわくさせてくれたのだった。

さて、新しい車「しろちび号」は私にどんな魅力を見せてくれるだろうか。ハンドリングの頼りなさに、エンジンの非力に、きっと物足りなさを感じてしまうだろう。でもきっとそれに勝る楽しさを見つけられるんじゃないかしら。どんなカーライフが待っているか想像するとちょっとわくわくする。今度こそ、通勤とおつかいだけの使い方から脱皮して、気軽にプチ遠出ができるようになりたいものだ。

そして「くろでか号」はいよいよ本来の乗り手(夫)の元で働くことになる。どうか持っている力を十分に発揮してくれたまえ。私のようななまくらな運転ではきっと物足りなかっただろう。でもスピードの出し過ぎと事故には十分気を付けてと、今のうちに言い聞かせておこうと思う。