両方の気持ちがわかる

夫は以前かなりのヘビースモーカー(2箱/日)で、家でも車でもよく吸っていました。なので、タバコの臭いとか煙とか、もちろん好きではありませんでしたが、まあそういうものが身近だったわけです。なので、職場でも、レストランでも、タバコのことをそんなには気にしたことがありませんでした。なんせ、すぐ隣のヒトがしょっちゅう吸っているんですから。

ところが2年くらい前かな、夫がすっぱりとタバコやめたのです。それ以来、何が変わったかって、とにかく、タバコの煙や臭いに、それはそれは敏感になったのです。まず臭い。隣に来ただけでその人が喫煙者かどうかが瞬時にわかります。タクシーはドアが開いて頭を低くした瞬間に。レストラン、新幹線(全席禁煙にしないJRはアホじゃないかと思う)では当然禁煙席。分煙されていないレストラン(たとえばここ)、カフェには二度と行きません。ホテルの部屋がタバコ臭かったら最悪。てな感じ。この変化は自分でもかなり面白かったです。

でもって、さらに面白いのは、あれほどタバコを吸っていた夫が、私以上に潔癖主義になっちゃって、電車で隣に喫煙者(と思われるヒト)が座ろうものなら「くっせーヤツが隣に座って、ほんとに参ったよ…」なんて文句を言うのだ。かつては自分がその臭いを発していたのに、ちゃんちゃらおかしいね。山に出かけた時なんて「世の中にはこーんなにいろいろな臭いや香りがあるんだね。それらに気づかないで生きてきて、なんて自分は愚かだったんだろう」なんて言ってたこともあったな。それだけでなく、食べ物の味にもずいぶん敏感になったと喜んでおりました。

そんな訳で、私自身、自分でもびっくりするくらいタバコの煙や臭いに敏感になってしまったわけだけれど、だからといってタバコを吸うヒトが憎いわけでも嫌いなわけでもなく、両親は喫煙者ですし、その様子がサマになっているヒトはかえって憧れだったりもします(id:tsun:20021213)。タバコで早死にしてもその人の選択なんだから、喫煙者にタバコ止めたほうがいいよなんてアドバイスする気持ちはさらさらないし、第一、何かを我慢するなんてとってもストレスじゃない。思う存分タバコ吸っても長寿なヒトにはそりゃめでたいと一緒に祝ってあげたいし、すっぱりタバコを止めたヒトには、さあこれから豊かな世界が広がりますよ楽しみですねと、やはりこちらも一緒に喜んであげたい。私とタバコの関係は今のところそんなカンジです。