ヒナの誕生を確認して一日。無事に育っているか気が気ではない。

例の「ぴゅるる、ぴゅるる」が聞こえているときは安心だ。ところが眠っているのだろうか大人しくなると、何かあったのではないかととたんに心配になる。

あまり見てはいけないとわかってはいても、ついのぞいてみたくなるのが人情だ。がまんにがまんを重ねて、夕方そっと巣箱の扉を開けてみる。いるいる、昨日とかわらない「赤ちゃん」がもぞもぞ動いている。よかった、一安心だ。そう夫と顔を見合わせた瞬間、そのことは起こった。

あーちゃん(ママ)が巣箱の底にたまっていたえさのくずを、夫の手に向かって「ばっ!!ばっ!!」とまき散らしたのだ。その激しさに夫は思わず手を引いた。そのあーちゃんの態度には、はっきりと「我が子を守る」という使命感が感じられた。そういえばヒナを見ていた間ずっと、あーちゃんは巣箱の出入り口から顔を出して私たちのことを警戒していたのだ。

ごめんごめんと、あわててあーちゃんに謝った夫と私である。