tsun2005-03-31

関係先の教室の秘書さんが退職するので、挨拶に来てくれた。その教室は規模が大きくて、いくつかのセクションに別れているのだけど、その一つのセクションでさえ私が所属している教室よりも人数が多いのだ。その分秘書さんの人数も多く、先生方の好みかしらん、若くてきれいなヒトばかりを採用するから、秘書内部のゴタゴタもそれはそれは多いらしいのである。そもそも先生方には優秀なアシスタントを育てようという考えはまったくなく、せいぜい2,3年働いてもらえばいいという考えなのである。つまり、「使い捨て」ね。

従ってこの教室に採用になった秘書さん達の末路はあわれなもので、恋愛に希望がもてず退職*1、仕事に嫌気がさし退職*2、イジメに遭い退職*3、のどれかに至るのである。新聞に「秘書募集」の求人広告が載れば、「教室のドクターと恋愛して寿退職」というコースを目指して多数の応募があるのだけれど、博士課程に戻ってくるのは、数年、関連病院で勤務医を経験してからのケースが多いので、既婚者であったり、すでに恋人がいたり、たまに独身であっても「やっぱり残るよな」というタイプのドクターばかり、という厳しい現実なのである。

退職の挨拶に来てくれたのは、その教室の秘書さんふたり、どちらも人当たりがよく、気軽に言葉をかけあったり、わからないことを尋ねたり教えあったり、もちろん仕事もできるヒトだったので、本当に残念。退職の理由はそれぞれだけど、ふたりとも新しい職場が決まっているとのこと、なおさら残念でならない。こうして優秀なふたりをみすみす失うなんて、それを引き留めることもできず、また新しいコを雇えばいいやとぐらいにしか考えていないであろう上層部にはあきれる。まあ、あまりにも規模が大きい教室で、縦に横にと関係が複雑に入り組んでいて、雰囲気をおいそれと変えることもできない閉塞感は、端から見ていてもわかるのだけれど。

そんな状況なんで、秘書になりたい!と相談があれば、その教室だけはやめておいたほうがいいよ、貧乏でも小さな教室のほうがアットホームで居心地がいいよとアドバイスをするのだけれど、そういう内情は外からではわからないからね。後任の秘書の募集には応募が殺到するんだろうな。は〜あ。

*1:玉の輿をねらっていたヒトはだいたいコレ

*2:有能なヒトほどコレ

*3:どんな状況でもニコニコできるタフな精神力のないヒトはコレ